特別養子縁組と普通養子縁組

特別養子縁組の制度特別養子縁組の制度
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2種類の養子縁組

養子縁組という言葉は多くの方が聞いたことがあると思います。

そして、おおよそ「他人の子供を自分の子供にすること」という理解をされている方が多いのではないでしょうか。

一般的にはその理解で問題ないと思うのですが、このサイトでは特別養子縁組について語りますので、もう少し詳しく説明をしたいと思います。

日本の養子縁組には「特別養子縁組」と「普通養子縁組」の2つの種類があります。それぞれの制度の違いは以下になります。

特別養子縁組と普通養子縁組の違い
特別養子縁組と普通養子縁組の違い

色々と違いがあるものの、ポイントになってくるのは赤字の部分だと思います。

ざっとまとめると、「特別養子縁組は子供を幸せにするための制度で、婚姻関係にある夫婦が6歳未満の子供を実施として迎え入れるためのもの。その準備として6ヶ月以上の監護期間が発生するが、一旦縁組が成立すると、実父母と養子との間の法律上の縁は切れる。」という感じでしょうか。

私の私見を挟みつつ、一つ一つ解説します。

養子縁組の目的

特別養子縁組と普通養子縁組の大きな違いの一つがこれで、特別養子縁組は子供の便宜、普通養子縁組は大人の便宜が目的です。

先に普通養子縁組について書くと、「とにかく後継ぎが欲しい」という理由で実行される養子縁組です。

「とにかく後継ぎが欲しい」理由は「家」の存続が目的だったり、金銭の相続が目的だったり、様々あるようです。

対して、特別養子縁組は「子育てが適切と言えない環境から、子育てに問題ない環境に子供を移す」という理由で実行されます。

子育てが適切と言えない理由は様々で、経済的な理由であったり、暴力的な理由だったり、その他のやむにやまれぬ理由だったりします。(なので、私は『子供を養子に出す親は~』という十把一絡げな批判には断固反対です。)

しかし、子供の便宜が目的の特別養子縁組にも大いに大人の便宜が入ります。

というのも、特別養子縁組を望む夫婦の動機は、少なくない割合で「子供を授かる縁がなかった」「子育てをしたい」というのが実態だからです。

縁組の成立条件

養子縁組を成立させるために得るべき合意であったり、法的な許可にも違いがあります。

普通養子縁組は養親と養子の当事者間で合意がとれていれば縁組の手続きに入れます。(ただし、子が未成年の場合には家庭裁判所の許可が必要ですが。)

一方、特別養子縁組は養子になる子の年齢が6歳未満であり、場合によっては生後すぐからの養育になりますので、本人の意志が未成熟である可能性が高いです。

我が家の場合、生後1週間から養育が始まりましたので、本人の意志どころかコミュニケーションすら取れない中での手続きでした。

したがって、一般的には実父母の同意が必要になります。

しかし、これにも例外があって、特に実父が不明だったり認知しなかったりすると、実母だけの合意で手続きが進みます。

成立までの監護期間

普通養子縁組は双方の合意が取れれば、すぐに手続きを進めることができますが、特別養子縁組には監護期間というものがあります。

これは簡単に言うと養育のお試し期間で、家庭裁判所に縁組の申し立てを行ったあと、6か月間は手続きを進めずに様子を見ますよ、という機関になります。

とは言え、この期間にも家庭裁判所や児童相談所の方々の家庭訪問などはあるのですが、詳細は手続きのカテゴリーの方に書きます。

監護期間を無事に過ごす(普通の子育てで発生するようなケガとかは無事の内です)と、初めて家庭裁判所から手続きを先に進める許可が出るのです。

ちなみに、「監護」という言葉は日常生活で使ったことがなかったので、ググってみると「監督し保護すること」とありました。

養親の要件

養親になる要件も大きく異なります。

普通養子縁組は成年以上であれば、独身の方や、LGBTで未婚のパートナー同士でも養子を迎えることができるということになります。

一方、特別養子縁組は夫婦であることが前提になります。

年齢の要件もありますが、あまりこの基準に引っかかるような若い夫婦とお会いしたことがないです。

また、法律的には規定がありませんが、私は養親の経済力も要件の一つだと考えています。

というのも、特別養子縁組に子を出す理由として、経済的に養育が難しいというのが少なくない割合を占めるからです。

ですので、子を育てるうえで経済的に困窮しそうにない、という判断基準があってもよいと思っています。

養子の要件

子供側にも要件があります。

普通養子縁組は「養親よりも年長でないこと」ですので、40歳の方が39歳の方を「子」として迎え入れることも可能です。

一方、特別養子縁組は、原則6歳未満となります。

このような法律的な制限もあるためか、特別養子縁組の養子の75%が、縁組成立時点で2歳以下であるという調査結果が出ています。

特に特別養子縁組をサポートしているNPO団体では、出産前もしくは出産直後に実父母から相談を受けて養親のマッチングをすることが多く、必然的に生まれたばかりの子を斡旋する割合が高いようです。

親族との関係

普通養子縁組が成立すると親権は養親に譲渡されますが、実父母やその親族との縁は切れませんので、結婚して配偶者の「家に入る」感覚に近いのかなと思います。

文字通り婿養子という言葉もあるくらいですしね。

一方、特別養子縁組が成立すると、親権が譲渡されるだけでなく、養子の元の親族関係は一切無くなります。

実父母との関係だけでなく、他の親族との法律上の縁もなくなります。

そして真っさらなところに、養親との縁が結ばれるわけですので、本当に新しい人間関係をスタートする形になります。

法律上は縁が切れたとしても、どうやったって血の関係は切れないわけですが、この制度によって元の親族との間にいざこざがあっても、法的に要求を退けることが可能です。

そもそもそんな状態は望ましくないですけどね。

戸籍上の記載

これは養親にとっては大きな違いじゃないでしょうか。

普通養子縁組の場合は戸籍に「養子」または「養女」と記載されますが、特別養子縁組の場合は「長男」「長女」など、実子と同じように記載されます。

ただ、これは続柄の表記の話であって、籍が移ってきたことは戸籍に記載されます。

従って、自らが養子であるということを子が知る可能性は高いので、幼少期に真実告知を行うことが推奨されています。

真実告知についてはまた別のところで書きたいと思います。

離縁

言葉だけ聞くと、すっかり縁を切るかのような響きですが、離縁とは養子縁組を解消することを指す言葉です。

あまり考えたくないことですが、養子または養親が縁組を解消したいと考えたときはどうなるでしょうか。

普通養子縁組の場合、可能です。

先ほど「家に入る」感覚と書きましたが、逆に離婚の感覚に近いのかなと思います。

一方、特別養子縁組の場合は離縁が原則不可能です。

血こそ繋がっていませんが、実の親子となっているのですから、よほどの事情がない限り離縁できないのは当然だと思います。

養子縁組の解消はできなくても、法的に縁を切ることは?というような疑問も湧くかもしれませんが、そこを突き詰めるのはこのサイトの目的ではありませんので、やめておきます。

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