児童相談所かNPO法人か
2019年12月現在、特別養子縁組の斡旋を行っている団体は児童相談所(公的機関)といくつかのNPO法人(民間団体)だけです。
従って、特別養子縁組を希望する方は少なくともいずれかの団体に養子縁組の希望を伝え、その団体での斡旋希望者として待機する必要があります。
団体によっては他団体との併用を認めておらず、1団体に絞って待機しなければならない場合もあります。
何はともあれ、自分が希望する団体を選ばなければいけませんので、それぞれの手続きを見ていきましょう・・・と言いたいところですが、私が最終的にお世話になったのはNPO法人で、児童相談所の手続きは中途半端にしか知らないので、NPO法人の手続きの説明の方が手厚いことをご了承ください。
それでは先に手薄な児童相談所について説明します。
児童相談所での手続き
まずは問い合わせる
児童相談所で特別養子縁組の斡旋を受けるには、何はともあれ縁組里親の認定を受けなければなりません。
「児童相談所は公的な機関なので、日本全国どこでも手続きは一緒」
私はそんな風に考えていましたが、結構地域差がありますので、まずは電話で問い合わせてみることをお勧めします。
我が家は大阪市と横浜市で縁組里親について問い合わせしましたが、どちらもまずは夫婦で話を聞きに来てくださいという形でした。
なお、ここでは大阪市、横浜市と大別していますが、それぞれの市には複数の児童相談所があります。
話を聞きに行く
児童相談所はすべての市区町村にあるわけではないので、いざ話を聞きに行くとなっても、ちょっと遠出になるかもしれません。
私の場合は大阪市のときは片道で40分くらいで、横浜市では片道20分くらいの位置にありました。
児童相談所を訪れると、ご担当の方が出てきて下さり、面談室のような場所で個別に面談を行っていただきました。
そして縁組里親になるための手続きを説明してくださるのですが、大阪市では諸々の研修と養親希望者のスケジュールが合わなかったりして、大体2年くらいかかるとの説明がありました。
その期間内に関東に転勤になる可能性が高いと踏んでいた私たちはその時点で大阪市での縁組里親の認定を取ることを諦めました。
横浜市に来て、改めて横浜市の児童相談所にお話を聞きに行ったところ、大体1年とのことでした。
それでも長いと感じるかもしれませんが、これは養親希望者がスケジュールを詰めれば最短半年くらいになるとのことでした。
研修を受ける
いざ、研修を受けるわけですが、まずは座学から始まります。
基礎研修という呼び方が多いと思いますが、大体15組くらいの夫婦が会場に集まって、里親制度の基本的な説明を受けました。
里親制度は、縁組里親のほかに、養育里親や専門里親、親族里親などがありますので、それらの希望者が全員同じ場に集まって研修を受けていました。
参考までに、横浜市の里親制度の説明ページから画像を引用します。
基礎研修の後は児童養護施設の見学がありました。
ここでも見学と同時に少し座学があり、養護施設で育つ子供たちの現実について、施設長さんからお話を伺うことが出来ました。
その後、本来であれば、さらに先の研修に進むかどうかの面接などがあるのですが、我が家はここでNPO法人でご縁があったので、里親研修を中断することにしました。
NPO法人での手続き
まずは問い合わせる
まずは問い合わせるというのは、児童相談所でもNPO法人でも変わりませんが、NPO法人の方がより特徴が出ますので、しっかりと手続きについて確認しましょう。
特別養子縁組を斡旋しているNPO法人の一覧については別途まとめたいと思います。
NPO法人は人手不足と言われる児童相談所以上に少数で運営されていることが多く、問い合わせへの対応が期待するほど早くない場合がありますが、これは「今対応が必要な実親と赤ちゃんのために時間を使っているから」と理解して、長い目で見てください。
話を聞きに行く
NPO法人でも面談があります。
しかし、児童相談所と違うのが、最初から集合研修と面談が行われる場合があることです。
我が家は2つの法人に話を伺いましたが、どちらも集合研修と面談が同時開催でした。
説明会の頻度は児童相談所よりも多かったのですが、開催場所が限られていました。
まぁ、児童相談所の対象は拠点と同じ都道府県内にとどまるのに対して、NPO法人は全国が対象のところもあり、場所が限られているというのはフェアな比較じゃないかもしれませんが。
したがって、地元で開催されていない場合は旅費を使って話を聞きに行く必要があります。
説明会および面談は丸一日使って行われます。
夫婦そろって参加する必要がありますので、お仕事をされている場合は説明会の開催に合わせて休暇を取ってください。
私が説明会に参加した2つのNPO法人は、どちらも研修の合間に先輩養親さんと養子さんとの交流がありました。
印象的だったのは、「絶対に養親になるんだ!」という夫婦から、「まずは話を聞きに来ました」という夫婦まで、温度感が様々だったことです。
研修を受ける
2018年から法律が変わり、NPO法人でも国が定めたテキストを使って、養親になるための研修を行うことになりました。
それまでは研修内容はNPO法人に委任されており、内容は様々でした。
この法律の施行によって、世間的に評判の悪い斡旋団体が斡旋を行うことが出来なくなったと聞いています。
ちょっと話が逸れましたが、上記の通りテキストを使った座学と、子供との触れ合いの時間が必要なようです。
「ようです」というのは、法律が変わったあとは1団体でしか研修を受けていないので、他と比較ができていないためです。
というわけで、我が家が研修を受けた団体では普通の保育園で子供たちとお外遊びをしてきました。
以上が斡旋を受ける団体の決定と手続きです。
次は、待機、ご縁、お迎えの手続きについてのお話です。
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