監護期間
特別養子縁組の成立には少なくとも6ヶ月の監護期間という時間を経なければなりません。
この期間は親権のない子を育てる試験養育期間のようなもので、預かってきた子と共に日常生活を送ることになります。
その間に仕事が忙しくなったり、家族の冠婚葬祭で里帰りしないといけなかったり、ハプニングがあるでしょうが、それも実子の子育てでも起こり得る経験として過ごすことになります。
このように基本的には自然に過ごすべきものなのですが、養親希望者にとっては大きな試練とも言える期間です。
なぜ試練かというと、この期間中に実親が養子に出すことを撤回すれば、ほぼ確実に撤回が成立してしまうためです。
つまり、監護期間が始まって半年経っていたとしても、撤回が行われると子を実親の元に返さなければならないのです。
実親も当初は相当の覚悟を持って養子に出すことを決めたと思いますが、やはり人の気持ちですので、養子の撤回が「めったにない」とは言えないようです。
家庭訪問
さて、そんな監護期間ですが、もちろん四六時中児童相談所や家庭裁判所の監視が入るわけではありません。
家庭訪問が時々行われます。
家庭訪問の頻度は、子供の健康状態や児童相談所の忙しさによって多少変わります。
我が家の場合は児童相談所2回、家庭裁判所1回でした。
主に子供との生活の状況について質問を受けます。
また、子供の月例にもよりますが、きちんと愛着形成がされている=養親と養子の間に信頼関係が構築される生活を送れている、というのを見られているようです。
家庭訪問の際はどう振舞うべきか?というような疑問が湧くかもしれませんが、自然体でいてください。
子育て相談として公的機関から職員さんが相談に乗りに来てくれた、くらいの感じで大丈夫です。
特に児童相談所の方には、普通に子育ての悩みを相談してもいいくらいです。
ただ、子供を愛していることは出し惜しみせずにアピールしてください。(演技しろと言っているわけではありません)
審判確定
そんなこんなで普通に過ごしていると、半年なんてあっという間です。
家庭裁判所はその間に養親だけでなく、実親の方にも事情聴取のようなものを行っているそうですが、その内容については養親側には共有されません。
半年経つと、監護期間の下限が満たされるので、審判の手続きが始まります。
ただ、半年経つと同時に審判の手続きが始まると決まっているわけではありません。
我が家の場合は8ヶ月目のある日、「実親からの異議が〇日以内(日数失念。7日~14日くらいだったと思います)に提出されなければ、特別養子縁組を認めます。」という内容の通知が郵送で届きました。
この通知から確定までの間は私もさすがに緊張しました。
実親にとっては子供を手元に戻す最後のチャンスですので、もしかしたら心変わりするかも、という不安がありました。
ですが、異議申し立てが無ければ無事に特別養子縁組が成立です。
その後の手続きは意外とシンプルで、審判確定の書類を持って役所に行き、子供を自分たちの戸籍に入籍させるだけでした。
逆に言うと、そのほかの手続きは、監護期間中に全て実子と同じように済ますことになっているということです。
斡旋を受けた団体にも報告し、これで特別養子縁組に必要な一連の手続きは終わりになります。
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