真実告知という通過儀礼

真実告知 養子との生活
真実告知
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真実告知とは

タイトルで通過儀礼というちょっと堅苦しい言葉を使いましたが、特別養子縁組の子の人生において、真実告知は避けては通れない出来事です。

真実告知とは特別養子縁組の子に対して、養親が実親ではないことを伝える出来事です。

ドラマやマンガで養子の子が戸籍を見たり他人から話を聞かされてショックを受ける、みたいなのありますよね?アレを防ぐためだと思ってください。

しかし、告知を行うと言っても「大事なことがあるのでそこに座りなさい」みたいな堅っ苦しいやり方ではありません。

物心つく頃から「あなたには母親が二人いるんだよ」と、ふんわりと伝えて、自然に受け入れてもらえるようにします。

我が家は今ちょうど上の子と会話でのコミュニケーションを取れるようになってきたので、「〇〇ちゃんには、お母さんと△△ (実親さんの名前) ママがいるんだよ」と伝え始めました。

ちなみに実親の男親は多くの場合音信不通または非認知なので、「あなたには父親も二人いるんだよ」というのはほとんどないようです。

お母さんは二人いるけどお父さんは一人。

ここだけ切り取れば、お父さんが子供を連れて再婚したのと同じ環境に近いな~とか個人的に思っています。

真実告知で伝えること

真実告知で伝えるのは、「私たちは血のつながった家族ではないが、あなたが幸せになることを第一に考えているし、実親さんもそのために私たちにあなたを託した」ということです。

ドラマやマンガであれば、この告白を受け入れてもらえず、子どもが外に駆け出して行ってしまうところですが、実際は上記の通り物心つく頃での告白になりますので、何を言っているのかよく分からないという反応でした。

こんな反応でも繰り返し伝えていくと、 5,6歳になる頃には内容を理解できるようになるようですが、あまり心の抵抗がないようです。

そのような事情もあってか、小学校入学前までには真実告知を行うのが望ましいとされています。

うちの子の場合、人の名前を出すと「〇〇に会いた~い」という反応をするクセがあるので、「△△ママに会いた~い」と言われたのはちょっと胸が痛かったです。

真実告知でやってはいけないこと

NPO法人から真実告知でやってはいけないこととして釘を刺されたのが、実親さんがその子を養子に出すことにした経緯を話すことです。

なぜだか真実告知でそのような話をしてしまう養親さんがいるそうです。

そもそも養親は実親さんがどのような経緯で子供を養子に出そうとしたのか知らないんですよ。(もしかしたらそこまで伝えるNPO法人もあるのかもしれませんが)

養親が知っているかもしれないのは、養子を預かる時点での実親さんの状況だけです。

その知識を元に経緯を説明しようとすれば、それは養親の妄想でしかないですよね。

そして子供にとっては何のメリットもないわけです。

真実告知を受けた子の反応

さて、自分が養子だと知った子どもはどんな反応をするのでしょうか。

またまたドラマやマンガのイメージで、子どもがグレてしまったりすることを恐れてしまいがちですが……

実は「自分に満足している」という問いに「そう思う」と答えた10~15歳の子どもの割合は、養子の方が通常家庭の子どもに対して2倍高い、という結果が日本財団が実施したアンケートによって得られています。

養子の自己肯定感
引用:養子縁組家庭に関するアンケート調査結果

養親は子どもを待ち望んでいる人たちがほとんどで、子どもに愛情を(おそらく平均以上に)た~っぷりと注ぎますので、そのように育てられた子どもの自己肯定感が高くなるのも当然です。

前述の通り、小さな頃から真実告知を受けても反発はあまり起きないようですが、NPOから聞いた話では、養子の会に参加した成人たちは口を揃えてこう言っていたそうです。

「養親であることを胸を張って告白して欲しい。私たちは幸せに育った。」

私も多少なりと真実告知に対して不安がありましたけど、この話を聞いてからは自信を持って子育てできるようになりました。

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